アンドウ(Ando)
 年齢:33歳/性別:男/身長:177cm/体重:72kg/髪の色:バーントアンバー()/瞳の色:ローアンバー(


 軍事警察独立事務所第8区区域属長。短縮して第8属長と呼ばれる。
 セシルの部下でありカーマたちの上司。一応主人公、のはず。
 仕事に関してはとても真面目で確実な腕を持つ。技術や能力で劣っている所はなく本来ならば激闘区域に配属されてもおかしくはないのだが、いかんせん思想が平和的であったため、激闘区域には適していないと判断。一番平穏な第8区に所属させられた。
 基本的に無愛想であまり話さないため誤解されがちだが、ものぐさになる時もあれば冗談も言う。意外とノリがいい。
 また4つ違いの妹がいるので、それなりに面倒見がいい。少々器用貧乏な所があり苦労人のようになってはいるが。
 第2属長の地位に友人であるナナシが配属されており、向こうの方が激闘区域にも関わらず何故か事あるごとに連絡が入る。
 ナナシの事は適当にやっているようで真面目に仕事をしており、のらりくらりとしているので掴めない奴だと思っている。
 またセシルの事は普段のやる気なさげな態度に結構な頻度でやきもきしてはいるものの、仕事で統率を取り迅速さが求められる判断は確実である故にどこか誇らしい気持ちも持っている。また優秀であるのに常に仕事に対して真面目に取り組まない様は勿体無いと常々感じている。
 酒が入ると普段自分をきっちりとした人物として統率しているタガが外れるのか、普段の無愛想さからは予測出来ないほどの(一瞬戸惑うほどの)紳士的な言動を取る。
 酔っている時にカーマと出会い、朧気な記憶の状態だったにも関わらず彼に懐かれてしまった。

 13歳の頃から軍事警察特設独立養成施設にて訓練を受けていた。家計は貧しかったが基本的な規律を学んでおり身体が丈夫だったため入学試験を難なく突破。その後施設の特別育成クラスへと進級され、最低でも第8属長になれる権利を確実のものとした。
 両親と下に4つ離れた妹、母方の祖父を養っていくために施設の寮生活で文句も言わずに奮闘していた。
 26歳で施設から卒業し進路先をどうするか尋ねられたとき家族に相談した所、「お前が無理せず頑張れる所ならどこに就いたって文句は言わないさ」という家族の言葉から自分を偽る事無く適正テストを受け、結果第8属長という地位に就いた。


カーマ(Kama)
 年齢:不明(26〜32歳くらい)/性別:男/身長:177cm/体重:72kg/髪の色:ローズグレイにオールドライラックのメッシュ入り()/瞳の色:ココア(


 軍事警察独立事務所第8区特別罪人特捜班のリーダー。
 セシルの部下であり、アンドウの直属の部下。ダウト、ヴェノサ、バッキンガムのまとめ役。
 第1区罪人管理収容所に収容されていたが、脱獄。軍警に捕獲されそうになっている時にアンドウに出会う。
 酔いの回ったアンドウが軍警の重要地点に身を置く立場にありながら脱獄した自身を快方した事により、アンドウの偏見の無さやその甲斐甲斐しさから彼を高評価して懐いた。実際は酔っていて見境が無くなっていたのだと知ってもなお懐き続けている。
 因みに彼はアンドウにベタベタとくっついてコミュニケーションを図るのが好きだが、単純に懐いているだけである。動物の刷り込みと似たようなもの。
 ほぼ常に笑い続けていて仕事でも余裕を失わない。
 現在はアンドウの役に立てて大層喜んでいるようだ。

 7歳のときに母親に窓が閉まっていたにも関わらず突き飛ばされ、ガラスを突き破って廃墟のマンション1階から落とされた。それによって右目に縦に切り裂かれた傷があり、右目はほとんど見えていない状態。若干白く濁っている。
 16歳の時に些細なことでたまたまその場に居た人物に徹底的な暴行を加え殺害。その後捕まることを恐れて逃げ回った。その内どうにかして食い繋ぐ為に人殺しやら運び屋などを続けて生活。
 いつの間にかフリーの人殺しの方で名前が売れ、そちらに仕事の軸を置いて生活するように。24歳になるかならないかくらいの時には殺しに対しても悲観的になったりすることは無くなった。
 カーマの殺しの仕方は基本的に刃物や毒物といった道具を一切使わない。生まれつき持ち、また鍛え上げられた腕力や脚力で筋肉や骨を絶ち、潰す。彼なりに余計な苦しみを持続させずスッキリ終わらせる為に取っている方法である。
 殺しに対して特にマイナスな感情は抱かなくなったが、喜怒哀楽などの感情が欠落していたり捻じ曲がったりしているわけではない。感情表現は豊かで少々騒がしいほどである。


ダウト(Doubt)
 年齢:不明(16〜17歳くらい)/性別:男/身長:157cm/体重:52kg/髪の色:ボトルグリーン()/瞳の色:マリーゴールド[右]とボトルグリーン[左]のオッドアイ(


 軍事警察独立事務所第8区特別罪人特捜班の1人。
 アンドウの部下でありカーマの仲間。
 第7区罪人管理収容所に収容されていたが、アンドウによって罪警として解放される。その後仕事の量は少ないものの安定した生活を送っている。
 甘え下手な性格をしており、そのため無愛想に見える。感情表現が得意でないが、もっと素直になれたらと心の隅で思っている。
 ヴェノサを母親のようにも姉のようにも慕っており、またカーマとバッキンガムを兄のように思っている。アンドウは父親のように思えるらしい。

 家族ぐるみでとあるドラッグの密売関係者であった。彼とその家族の主な仕事は密売現場を軍警に見つからないよう銃器を持ってして警護し見張ること。
 ダウトが主に使用していたのは小銃と狙撃銃の遠距離からが可能な物。暗闇でも正確な腕前は組織内で高く評価されていた。
 しかし年齢が幼く自身で綿密なプランを作ることが出来ず、また体力等も無かったために、軍警から逃げ切ることが出来ず捕まってしまった。本人は自分の能力不足だったからだと思っているが、実際の組織内では盾にされ見捨てたのと同等の扱いをされている(罪警に身を置いて後々に彼自身もそれに気付く)。
 家族ぐるみで組織に従っていたが、彼の家族は2人の姉と1人の兄だけであり、両親は他界している。


ヴェノサ(Venosa)
 年齢:不明(27歳くらい)/性別:不明(元は男)/身長:178cm/体重:68kg/髪の色:ヴァニラ()/瞳の色:コルク(


 軍事警察独立事務所第8区特別罪人特捜班の1人。
 アンドウの部下でありカーマの仲間。
 第5区罪人管理収容所に収容されていたが、収容所側から持ち出された契約によりアンドウが第8属長に就任している間罪警として開放されることが決定していた。
 胸も玉も付いているがふたなりではない。線は細めとはいえ肩幅もそれなりにあるし声も成人男性のそれだが、仕草や言動が女性的である。また女性言葉で話すためか、ダウトには姉のように慕われている。
 彼女を形容する時「彼」と表現するととても怒られる。しかし至ってノーマル趣向であり普通に女性が好きらしい。
 ころころと表情が変わり、第8区の和ませ役。

 元は貴族の一人息子。父親が女性をとっかえひっかえする人物だったようでとても嫌っている。また実の母親からは「女の子が良かった」と言われ続け男ながらも女性であるように躾けられた。
 父親を心底嫌っていたヴェノサは女性であるよう振舞っていれば最上の愛を与えてくれる母に軽く依存状態であった為に、母の為に女であろうとする。
 17歳を過ぎたある日父親に犯されそうになったが怒りに任せて父親を近くにあった装飾用の剣で殺害。父親の財産を当てにしながらヴェノサを人形のように扱っていた母親は激怒したが、そんな母親に失望した彼女は母親も殺めた。
 以来スラム街へと身を落とし、人を殺める行為に対して自分はドライであると分かった彼女はそのまま暗殺業を生業として生活。
 しかしそんな生活に疲弊し、厳しい処罰が下されるのを覚悟の上で最後の殺害現場に留まり軍警によって収容された。
 彼女は他の罪人に比べかなり理性的であり、かつ今までの罪の多さから罪警になることを勧められ、アンドウの配属が決まる前から罪警になる事が決定した。


バッキンガム(Buckingham)
 年齢:不明(23歳くらい)/性別:男/身長:164cm/体重:64kg/髪の色:シトロングリーン()/瞳の色:シアン(


 軍事警察独立事務所第8区特別罪人特捜班の1人。
 アンドウの部下でありカーマの仲間。略称はバロン。
 第6区罪人管理収容所に収容されていたが、アンドウによって軍警として解放される。仕事に対しては報酬が貰えればそれでいいと思っているので不満は抱いていない。
 基本的には他人に無関心で、最初はカーマやアンドウの事も特に何とも思っていなかった。話を通して少しずつ仲間という単語を理解しようとしている。
 飴玉と薬物が無いと死ぬと豪語しており、それは決して大げさなことではない。故に彼への報酬は金銭よりも飴玉や薬物であることが大半である。
 カーマやヴェノサを少々うざったいと思いつつ、ダウトを見守っている。
 罪警の中で冷静なツッコミとストッパー的位置についている。

 第8区のそこそこ大きい内科病院の医師の息子。双子の姉のホリールードが居た(異性二卵性双生児)。
 薬学を学んでおり成績はトップクラスで出世コースまっしぐらだったのだが、勉強を押し付ける親に反発。19歳の時に家を飛び出してドラッグに手を付ける。
 知識と技術を見込まれてそのうちドラッグや毒薬を作るようになる。使用用途は聞かない、その代わり飴玉とドラッグと少々の金銭を報酬として貰う事をしていた。またこちら側の事は情報は漏らさないという契約を交わした上で仕事を請け負っていた。
 ある時期仕事が少なくなり薬切れを起こし、姉のホリールードをナイフで惨殺。
 暫くして仕事が入りまた薬を入手した為それ以来直接手を下す事は無かった。姉に関しては都合のいい存在が居なくなったな、という認識程度であまり関心は抱いていない。しかし姉が自分に執着し依存していたのは薄々気付いていた。


セシル(Cecil)
 年齢:32歳/性別:女/身長:163cm/体重:60kg/髪の色:シナモン()/瞳の色:シナモン(


 軍事警察独立事務所第8区区域長。短縮して第8区域長と呼ばれる。
 アンドウと彼の抱える部下(罪警)の上司。
 仕事に関してあまりやる気が見えず、ほとんどダルそうな目をしている。しかしその能力は各区域長達の中でもかなりのもの。しかし激闘区にわざわざ出向いて必死に働きたくないというものぐさ加減から第8区の区域長となった。
 必死に働くのが嫌なだけであり、仕事は真面目にこなしている。有事の際の統率力や行動プランなども綿密に立て実行可能なものしかくださないその正確さはアンドウだけでなくカーマたちにも密かに高い評価を受けている。
 アンドウなどの生真面目な人間をからかうのが好きで悪戯好き。しかし変なところで育ちのよさが発揮され天然な一面も。
 結婚は1度したものの離婚。元夫とは良い飲み仲間となっている。

 良家のお嬢様育ちで、幼い頃から指導者としての教育を受けてきた。
 その為指導者として十分な技量と器を兼ね備えた人材になったが、同時に現在の世界の状況について疑問を抱き修正したいと考えるように。
 そのために激闘区に出向いて忙しい日々を送るよりは穏やかな区域でじっくりと見据えるのがいいだろうと考えて現在に至る。
 第2区域長であるハルスと対立中。


ナナシ(Nanashi)
 年齢:33歳/性別:男/身長:175cm/体重:72kg/髪の色:プルシャンブルー()/瞳の色:プルシャンブルー(


 軍事警察独立事務所第2区区域長属長。短縮して第2属長と呼ばれる。
 第2区域長であるハルスの部下であり、彼もまた罪警として数人を直接の部下に持つ。
 確実に仕事はこなすものの、のらりくらりとしていてどことなく掴めない人物。アンドウから勝手にカーマと近いかもしれないと思われている。本人はそんな事を思われているとは知らない。
 アンドウが施設に入学した時からの友人。
 自分の上司であるハルスに対して余り良い感想は抱いておらず、水面下で敵対していたりする。よってセシルとも何度か秘密裏にやり取りをしているようだ。

 セシルと同じく良家の出身で英才教育を受けてきていた。但し彼は指導者としてではなく優秀な駒としてである。
 しかしやはりそれなりの学力も付けさせられたお陰か、現在の体制のままでよいのかと疑問を持ち続けていた。
 アンドウが平和的思想の持ち主だと知っていたので、彼がどこに所属することになるのかをとても気にかけていた。結果的に一番平穏な第8区に所属することになり杞憂に終わったが、何かと連絡を入れて様子を探っている。
 しかしどこかで自分の心労も感じて欲しいと思っている。素直に感情を表すのが得意ではないらしい。


ホリールード(Holyrood)
 年齢:20歳/性別:女/身長:162cm/体重:58kg/髪の色:シトロングリーン()/瞳の色:ヒヤシンスブルー(


 故人。バッキンガムの双子の姉(異性二卵性双生児)。略称はホリー。
 家を飛び出したバッキンガムを表向きでは自由にさせているように見えて、薬物から足を洗って欲しいと思いつつ彼が生活できるよう支えていた。
 両親に反対されつつも彼をバッキンガムを支え続けていたのは一重に彼女が弟に執着し依存していたことが強い。
 この子を守らなきゃ、救わなきゃと思う反面で、この子が頼れるのは私しかいない、この子に必要なのは私だけなんだ、だからずっと私を見てて、貴方も私に依存してと少々狂気染みていた。
 弟に惨殺されている間、苦しみながらも「最大限に甘えてくれてるんだわ!」と思っていたどうしようもない子。