allegoryの世界=白い都市
森や路地を抜けた先、ふとしたときに繋がる少しばかり次元の違う世界。白亜の建物が整然と建っているので、白い都市と総称している。様々な次元と次元の間を行き来しているため、正確な世界設定や種族などは存在しない。
白い都市に足を踏み入れる者は「全く別のどこかへ行きたい」という願望のもと、歩いているときにふと足を踏み入れた者が多い。しかし時として全く違う思いを抱いた人物を招くこともあるようだ。
・白い都市
様々な次元と次元の間を行き来する1つの街そのもののこと。深い森が周りを囲み白亜の家が立ち並び、赤いレンガが道に敷かれている。
「全く別のとこかへ行きたい」という願望を抱いた人々をいつの間にか招き入れる。招かれた者は暫く歩き続けるまで違う場所へきたということに気が付かないほど、自然である。
いつ誰が、どうやって造られた都市なのかは不明。レティとクォルツが初めに住み始めた。それまでは全く無人の街であったという。しかし作物や木々は青々と茂っており、2人が来る以前にも人は住んでいたようである。
・白い都市内における時間の経過
白い都市の中の時間と、その他の次元との時間の進み方は全く異なる。
体感的には白い都市内の方が何も無い、人とも中々接触しないのでゆっくりと流れて見えるが、実際には都市内の時間の流れは他の次元と比べてかなり速い。白い都市内での1ヶ月は、他の次元の2時間にしか及ばない。半月で1時間、一週間で30分ほどとなる。
クォルツが住み始めの頃によく別次元と行き来し、時間の法則を見出した。
・アダムとイヴの子孫
レティとクォルツの遠い先祖。
彼らが元々住んでいた次元でひっそりと継がれていた存在で、彼らの次元でも知っているものは身内にしかいない。
レティは本家、クォルツは分家の血であり、本家の子供は16歳になると身体に失墜者としての刻印である蛇の痣が現れる。青紫のその痣は痛みなどないものの、時間が経過するにつれてじわじわと全身に広がっていく。
レティとクォルツが婚約者となったのは、分かれすぎた先祖の血を元に戻すため。クォルツが年が離れているにも関わらずレティの婚約者となったのは、彼が血に対して本家の人間以上に知識を得ていたためである。
・無花果
白い都市内、クォルツの住む館の庭に生えている無花果の木。
その無花果の実を食べると二度と白い都市から別の次元へ抜け出すことが出来なくなる。そのため、永住するつもりがない住人には食べないようレティが言い渡している。
白い都市内の主だった住人の中では、オルフォースとアルノス以外の人物は食しているため、二度と違う次元に足を踏み入れることはできない。一般の住人たちでも食しているのはほんの一部だけだという。